流動比率とは、流動資産と流動負債の比率を計算したものです。
貸借対照表の資金バランスとしての自己資本比率が中長期的な安全性を表すのに対して、流動比率は短期の安全性を表します。
流動比率 = 流動資産 ÷ 流動負債

流動負債は1年以内に支払う必要のある負債であり、買掛金、前受金、未払金、短期借入金などです。
流動資産は、現金預金、また1年以内に現金化できる資産であり、売掛金、短期貸付金、立替金などが相当します。
流動比率とは、短期間で見た資金繰りにどれくらい余裕があるかを示すものであり、流動負債よりも流動資産の方が多ければ、資金繰りに余裕があるといえます。
流動比率は100%を超えている事が望ましいでしょう。
当座比率 = 当座資産 ÷ 流動負債
短期的な支払能力を示す流動比率ではありますが、流動資産の中には、必ずしも短期的に現金化されるとは限らない資産があります。
それは、棚卸資産、短期貸付金、立替金などが該当します。
特に棚卸資産については、仕入れが多い業種では無視できない資産額となる場合があります。
仕入れた商品が販売されるまでは現金化できないと考え、より厳密に支払い能力を評価するため、流動資産から棚卸資産を差し引いて計算する指標が当座比率です。
流動資産の中でも、特に現金に近い資産として、現金預金はもとより、受取手形、売掛金、そして有価証券(すぐに現金化できるもののみ)を当座資産と呼びます。
この比率も100%を超えている事が望ましいですが、現実には100%を切る企業も多いです。
資金繰りが厳しい時に使う「手元流動性」
企業は、流動負債の支払いができなくなった時に倒産の危機に直面します。
資金繰りが厳しい企業の支払い能力を測る指標として、手元流動性に着目する場合があります。
これは、すぐに支払いに使える資金として、現預金や、すぐに現金化できる有価証券などが何か月分持つかを評価する指標です。
すぐに調達できる資金を手元資金に加える場合もありますが、経営の厳しい企業に融資してくれる金融機関はほとんどないと考えられるので、現実的には行いません。
ですので、貸借対照表に載っている現預金と流動資産の有価証券を平均の月商で割り算することになります。
手元流動性 = すぐに支払いに使える資金 ÷ 月商
(すぐに支払いに使える資金 = 現預金 + 有価証券)
大企業で1か月、中小企業で1.7か月以上であれば安全であると言われます。
まとめ
これらの指標は、貸借対照表を元にした計算ですので、静的な分析になる事は忘れてはいけません。
入出金のタイミングでは資金不足に陥ることもありますので、当座比率が100%を超えていたとしても必ずしも安全とは言えないのです。
このような特徴を理解したうえで、総合的に評価していくことが大切です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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